歴史研究
過去を研究し、未来を創る。栽培から商品開発まで行うからこそできることを。
日本書紀にも記されている岡山の「い草」の歴史。
私たちの暮らしとともにさまざまに表情を変えてきた素材と、一大産地となったここ岡山のあゆみをご紹介します。
時代 | 西暦 | 元号 | い草のあゆみ | 面積ha | 社会背景 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
縄文/弥生 | BC1000 | |||||
BC600年頃から稲作が始まる | ||||||
AD200 | 神功皇后、三韓征伐の帰途、庄(倉敷市)に立ち寄った際、物部の浦人がいぐさで織ったござを奉る(吉備国伝承) | AD100年頃吉備王国かたまる | ||||
大和 | 300 | この頃に作られた、岡山市の金蔵山古墳、倉敷市の王墓山古墳から畳表の残片が出土 | ||||
大化の改新(645) | ||||||
奈良 | 700 | 平城京へ遷都(710) | ||||
備前国秦乃良(はたのとら)が畳造りの功により従五位を授けられる(続日本記770年頃) | ||||||
平安京に遷都(794) | ||||||
平安 | 800 | 寝殿造りの住居が普及し畳を使い出す(850年頃) | ||||
畳縁の色や模様が官位によって区別(900年頃) | ||||||
源頼朝、征夷大将軍となる(1192) | ||||||
鎌倉 | 1200 | |||||
養蚕業普及 | ||||||
室町 | 1400 | 足利尊氏、征夷大将軍となる(1338) | ||||
1500 | 備前国がいぐさの栽培とい製品の生産を開始(吉備国伝承1550年頃) | 織田信長、安土城を築く(1576) | ||||
安土 | 1600 | 高松城水攻め(1582) | ||||
桃山 | ||||||
江戸 | 池田光政が干拓による新田開発に努め、換金作物として、いぐさ、綿などの栽培を許可(池田光政治政 1632〜73) | 徳川家康が、征夷大将軍となる(1603) | ||||
1700 | 備前表の製造が盛んになる(1700年頃) | 後楽園が建造(1700) | ||||
上道でい草、児島や備中で畳表、ござが生産されだした(1750年頃) | ||||||
1800 | 早島の吉屋万之助氏が海路で畳表を江戸へ直送(1844〜48) | ペリー浦賀に来航(1853) | ||||
江戸開城(1868) | ||||||
明治 | 1871 | 明治4 | 廃藩置県 | |||
1874 | 明治7 | 畳表の生産額が102,900円(畳1枚が約5銭) | ||||
1875 | 明治8 | 北条、岡山、小田が合併し岡山県となる(8〜9年) | ||||
1878 | 明治11 | 磯崎民亀氏が綿莞莚の製造技術を発明 | 15 | |||
1881 | 明治14 | 綿莞莚がイギリスなどに輸出されだす | ||||
1891 | 明治24 | 山陽鉄道岡山〜三石間開通(24年) | ||||
1893 | 明治26 | 県産の花ござが国の輸出10品目に入る | 1749 | |||
1895 | 明治28 | いぐさ篤農家、難波氏が中太種の新系統「難中系」を選抜、良質多収のため県南部に普及 | 502 | |||
1901 | 明治34 | 岡山県立農業試験場が開設され、いぐさの栽培試験が開始 | ||||
1903 | 明治36 | 岡山県立農業試験場でいぐさ染土試験を開始 | 1134 | |||
1904 | 明治37 | 日露戦争開始 | ||||
大正 | 1914 | 大正3 | 第1次世界大戦開始 | |||
1915 | 大正4 | 「難中系」から古屋野馬太郎氏が、新品種「古屋野」を、板野嘉太氏が、新品種「板野」を選抜し県南に普及 | ||||
いぐさ田の除草に大豆粕散布法が確立され普及 | ||||||
1918 | 大正7 | 第1次世界大戦終戦 | ||||
1919 | 大正12 | 関東大震災 | ||||
昭和 | 1930 | 昭和5 | いぐさ田の除草に米ぬか散布法が確立され普及 | 2347 | ||
1932 | 昭和7 | 農村不況深刻化 | ||||
1933 | 昭和8 | 県花莚・畳表同業組合の活動が活発になる(加入者:22,400人) | 3018 | |||
岡茂一郎氏が岡式ロール自動織機を開発 | ||||||
1937 | 昭和12 | 岡山県立農業試験場早島いぐさ試験地が開設 | 2739 | 日中戦争開始 | ||
明石染土がこの頃から普及 | ||||||
県下のロール自動織機5,000台を越す | ||||||
1938 | 昭和13 | 岡山県工業試験場い製品指導所が開設 | 2776 | |||
1940 | 昭和15 | いぐさ、畳表、ござ類に公定価格が公表 | 3666 | |||
1941 | 昭和16 | 第二次世界大戦開始 | ||||
1942 | 昭和17 | い製品等配給制要領が公布 | 2118 | 食料管理法公布 | ||
全国い製品生産者団体連合会発足(岡山、広島、福岡県他5県) | ||||||
1945 | 昭和20 | 130 | 第二次世界大戦終戦 | |||
1946 | 昭和21 | 食糧増産により、いぐさ栽培面積が激減 | 3 | 農地改革(20〜21年) | ||
1947 | 昭和22 | いぐさ・い製品配給制始まる | 57 | |||
1948 | 昭和23 | 岡山県立農業試験場において新品種「岡山3号」を育成 | 611 | |||
1951 | 昭和26 | 好景気でいぐさ高価格に推移(61円/kg) | 3850 | |||
1952 | 昭和27 | 第一回岡山県い業祭が倉敷市で開催 | 4933 | い製品用動力織機郡市別運搬台数表とリンク | ||
1956 | 昭和31 | 倉敷税務署が航空写真により作付面積を確認 | 3500 | 児島湾の締切堤防工事完成 | ||
1958 | 昭和33 | 「岡山3号」を県奨励品種に採用 | 5480 | |||
畳縫着機の平刺、返縫両用機が開発 | ||||||
1959 | 昭和34 | 武南清士氏が、いぐさ自動選抜機を開発 | 3640 | |||
岡山県い業振興協会発足 | ||||||
1960 | 昭和35 | いぐさ田の除草に除草剤が使用されだした | 3730 | |||
「あさなぎ」を県奨励品種に採用 | ||||||
1961 | 昭和36 | 農業基本法公布 | ||||
1962 | 昭和37 | 第17回国民体育大会 岡山で開催 | ||||
1963 | 昭和38 | 県下でいぐさ倒状防止編が普及 | ||||
1964 | 昭和39 | いぐさ・い製品が貿易自由化 | 5548 | 東京オリンピック開催 | ||
浅越修三氏がジャガード自動花莚織機を開発 | 岡山県南地区が新産都に指定 | |||||
いぐさ田の除草にDBNが導入、普及 | ||||||
いぐさ作付面積5,548ha(全国1位) | ||||||
1966 | 昭和41 | 県中北部地帯の作付が拡大 | 3380 | |||
1967 | 昭和42 | いぐさ大暴騰、青いダイヤとなる | 3380 | |||
1968 | 昭和43 | 第一回全国い業大会が岡山市で開催 | 3600 | |||
1969 | 昭和44 | アポロ11号月面着陸 | ||||
1972 | 昭和47 | 新幹線岡山まで開通 | ||||
1973 | 昭和48 | 畳表JAS規格公布、県条例でのJAS検査開始 | 1250 | |||
43年頃から始まった、いぐさ先枯の紛争が県の調停によって解決 | ||||||
1975 | 昭和50 | いぐさの大型立詰め生乾燥機導入 | 587 | 新幹線岡山〜博多間開通 | ||
1977 | 昭和52 | 明石染土が生産中止になり、淡路染土を導入 | 537 | 中国縦貫通自動車道開通(落合〜吹田間開通50年) | ||
早島町歴史民族資料館開設、いぐさ資料を展示 | ||||||
1979 | 昭和54 | 県産いぐさ使用畳表に優秀品マーク表示が始まる | 544 | |||
1983 | 昭和58 | 新品種「岡山みどり」を岡山県農業試験場が育成、県奨励品種に採用 | 233 | |||
1986 | 昭和60 | 笠岡湾干拓地入植営農開始 | ||||
1987 | 昭和62 | 常用ハーベスター導入 | 139 | |||
1988 | 昭和63 | 瀬戸大橋開通 | ||||
新岡山空港開通 | ||||||
1990 | 平成2 | 花莚の新染色法(瀬戸染)を岡山県織込花莚工業組合が開発 | 108 | 食と緑の博覧会開催 | ||
いぐさ植付け機導入 | ||||||
1992 | 平成4 | 第40回岡山県い業大会を倉敷市で開催 | 中国からの輸入い製品増加 | |||
1993 | 平成5 | 第1回岡山特産花ござ祭り開催(早島町) | 37 | 米が戦後最悪の不作 | ||
染土を統一(アサノ染土) | ||||||
1994 | 平成6 | 米不足による米創造起きる | ||||
1995 | 平成7 | 岡山県いぐさ研究会発足 | 28 | 阪神大震災 | ||
1996 | 平成8 | いぐさ粉塵除去装置の検討 | ||||
1997 | 平成9 | い製品消費宣伝イベントの開催 | 23 | 倉敷チボリ公園開園(現:アリオくらしき) | ||
1999 | 平成11 | 第1回位ぐさ栽培技術改善共励会を実施 | 食料・農業・農村基本法公布 | |||
岡山ブランド花ござを岡山県織込花莚工業組合が開発 | ||||||
2000 | 平成12 | 岡山県い業関係団体の再編 | 15 | 全国作付面積 2,874ha | ||
2001 | 平成13 | 畳表JAS規格改定 | ||||
畳表に関するセーフガード暫定措置を発動(4月23日から200日) | ||||||
2002 | 平成14 | 第50回岡山県い業大会を早島町で開催 | 9 | |||
2003 | 平成15 | 熊本県が「ひのみどり」を使った畳表の輸入差止めの申立 | ||||
2004 | 平成16 | JAS制度のあり方検討会採取報告 | 7 | 台風(16号・21号・23号)の相次ぐ襲来 | ||
苫田ダム竣工 | ||||||
2005 | 平成17 | い製品展示即売 | 第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」開催 | |||
種苗法・JAS法の改正 |